更なる刺客

前回の続きになりますのでまずはこちらを読んでいただけると分かりやすいと思います。

例の一件も無事解決して念願のシャワーを浴びようやく静寂に包まれた部屋で一人くつろいでいました。
しかしそんな平穏な時間も束の間、新たな刺客が現れます。
時刻は既に深夜を周っており僕はブログの為にその日あったことを日記にまとめていました。
その時慌ただしく部屋のドアが開く音がして振り向くとそこには僕よりあとにドミトリーにきたカップルの姿が。

女性はなにやら慌てている様子。
その後ろから現地のドライバーとおぼしき男性に担がれながら泥酔して膝から血を流す男が運ばれてきました。
状況はその場にいなかった僕でもなんとなく把握できてカップルで飲んでいたけど男の方が飲みすぎて一人で収拾出来なくなった女性を現地のドライバーが助けた感じでしょう。

男は意識は朦朧としていて汗だくで一人で立つことすらできない状態で急性アルコール中毒かと心配しました。
現地のドライバーによって担ぎ込まれベッドでぐったりしている彼氏を泣きべそかきながら彼女が声をかけますが全く反応がありません。
流石に同じ部屋の住人として何もしないわけにもいかないので女性に『大丈夫?』と声を掛けると泣きそうになりながら『大丈夫、、。』と言ってました。

そんな女性を目の前にして『そう、じゃあおやすみ。』と自分のベッドに戻れる僕ではなく全然興味はないけど何があったのか聞くことに。
彼女は『友達と飲んでたのだけど彼が飲みすぎてしまって、、。彼はいつもこんな感じで困るわ。』と。
彼氏じゃないんかいと思いつつ、飲むとどうしようもない友達の介護を何回もしたことがある僕は痛いほど気持ちがわかる。

その後少し女性と話していると女性が『ちょっと彼氏と電話したいから彼を見ていてもらってもいい?』と言いてきます。
内心『え、嫌だ。』と思いつつ意外と頼まれると断れないタイプの僕は渋々了解し彼女は部屋を出ました。
酔っ払いと二人っきりになってしまいましたが特に僕ができることもないので日記の続きを書きながら彼を見守ることにします。
すると彼がベッドから這い出てトイレに行こうとするので僕は『大丈夫か?』と声を掛けますがそんな僕の声をガン無視してゾンビのようにトイレに入って行きました。

とりあえず現状を廊下で彼氏と電話している女性に説明します。
彼女はトイレのドアを叩きながら男の前を呼びますが全く反応がありません。
正直もはや呆れ気味の女性。地面をみると男がベッドから這い出た際に落ちた二人の荷物が散乱してます。
その中には彼女のピンク色のТバックも落ちていて彼女はそれを慌てて拾い上げ『もう最悪!』と言わんばかりにトイレにいる男に向かってキレていました(笑)

最初は泣きそうになりながら心配していた彼女も今はゲラゲラ笑いながら話しているので大丈夫そう。
なんとか事態も落ち着いたので日記の続きを書こうとすると彼女が『日記書いてるの?私も書いてるわ。』と彼女が書いている日記を見せてくれました。
ブログ用にその日の出来事を殴り書きしている僕の不細工な日記とは違いイラストを交えながら思い出を書き綴っている素敵な日記でした。

『良かったら明日私たちキリングフィールド行くのだけど一緒に行かない?』と言われました。
正直一人旅の方が楽だから好きなのですが知らない人外国人と海外旅行するのも面白いのでいいかもしれません。
しかしこの酔っ払い男と行くのは少し嫌。まぁ彼女も酔っぱらっているので話半分で聞いておきましょう。
それから他愛もない話をしていると男がトイレからできてベッドに戻りました。
彼女がトイレを確認するとどうやらトイレで吐いたみたい。
ますます男の事が嫌いになってきましたがこれで一件落着でしょう。

色々の事が一晩で起きすぎてかなり疲れました。
時間も深夜2時くらいになっていたのでかなり眠い。
彼女も大丈夫みたいなので僕は自分のベッドに戻って寝ることにしました。
本当にイベントてんこ盛りの夜でした。

しかし夜は終わらない

ベッドで眠りに落ちてから3時間が過ぎた頃静まり返った部屋に突如ドンドン!と叩く音が響きます。
なんか音が聞こえるものの心地よい睡眠と現実の狭間を彷徨っていた僕はなんかドンドンうるさいなぁと思うものの確かめようとはしませんでした。
それでも数分のわたってドンドンとドアを叩く音と男女の声が聞こえてきます。

さすがのしつこさに僕も現実に引きずり込まれ身を起こすとドアを向こうからこちらをを呼ぶ声が。
僕はドアから一番遠いのですがドアに近い二人はお酒の効果かピクリともしません。
仕方なくベッドから出てドアに向かうとそこには僕がいる二段ベッドの下でパコパコしていたマッチョマンがいました。
どうやらフロントの女性と一緒にいるみたいです。

マッチョマンは『誰かがドアのラッチを掛けてしまって開けれないから外してくれないか?』と言ってきます。
ラッチとは鍵とは別にドアの閉める時にドアに掛けるアレです(笑)
ラッチを外してあげると『ありがとう、助かったよ。』とマッチョマン。
パコパコの現場を僕に見られた後ホテルに行ったのでしょうが帰ってきたらラッチが掛かってドアが閉まっており困ってフロントを呼んだという感じのようです。

フロントの女性に感謝をして少し疲れた感じで部屋に入るマッチョマン。
この時僕は寝ぼけながらもこのマッチョマンに怒っていた事を思い出します。
このマッチョマンが俺がベッドにいるにも関わらず女をドミトリーに連れ込んで2段ベッドの下で男女の営みを始めるからすごく気まずい想いをさせられたし、いざ俺の存在に気付くと俺が悪者のような感じでそそくさと何も言わず出ていきやがた。
こんな仕打ちをされて黙っているほど日本男児は温厚ではないぞ。

ヤツのベットは俺の真下。
俺がベッドに戻る時に必ず話しかける機会はある。ここは一言、ドミトリーでああいうことはするべきではないと言うべきだ。
ベッドの2段目に上がる為の梯子に手をかけながら僕はマッチョマンをキリっと睨みます。
そんな僕の目を真っ直ぐ見て『Good Night』とマッチョマン。
そして僕が返したアンサーはサムズアップでした。

自分の情けなさに悲しくなりながら僕は夜を明かしました。

次の日の朝

最後の最後まで騒々しい夜でしたが一晩明けて昨日の騒動が噓のように清々しい日光が照らしてします。
僕の真下にいたマッチョマンが既にいませんでした。
移動日の前日に女を連れ込んでたのかコイツとまた腹が立ってきましたが今更イライラしてもしょうがないです。
昨日泥酔した男も既に外出していて女性はまだ寝ていました。

寝るのが遅かったので時刻は昼過ぎでしたがギリギリ昼夜逆転は解消されました。
トイレや歯磨きなど済ませると彼女が起きてたので『おはよう。』と挨拶すると彼女は『二日酔いだわ。』とかなりグロッキー。
そういえば昨日一緒に観光しようとか言ってたけどこの感じだと無理そう。
ということで今日も今日とて一人旅しよう。

とりあえずお腹が空いたので腹ごしらえをしていい加減SIMカードを購入します。
カンボジアに来てから3日目でようやく昼間から探索ができそうです。
今日の予定は昼間の街を探索しながらSIMカードをゲットしてカンボジアのイオンモールに行ってみます。
体調も完全に回復したし昨晩のドタバタを乗り越えた僕に怖いものはないです。

ということで今回の記事はここまでです。
壮絶な夜を経験しましたが帰国した今でも鮮明に覚えているほど強烈な旅の思い出となっています。
ようやく体調も昼夜逆転も治ったのでこれから本格的にカンボジアを探索してきますので良かった次回以降の記事も読んでください。
それはまた次の記事で会いましょう。ありがとうございました!